スマホなどの急速な普及にともない、簡単に利用できるWi-Fi方式は、地図情報アプリやゲームなどで利用する人が増えています。ここでは、Wi-Fi方式を使った位置情報検知の仕組みやメリットデメリットを紹介します。
Wi-Fi方式の位置情報検知とは、端末などデバイスの現在位置をWi-Fiに接続することで、測定し通知するものです。デバイス側では位置情報提供に同意するだけで利用できるため、特別な操作は必要ありません。
Wi-Fiを使った位置情報検知は、統計データを使って測定。AppleやGoogleなどの位置情報サービスを提供しているところでは、Wi-Fiアクセス情報データベースを構築し、随時更新しています。
Wi-Fiアクセス情報データベースには、Wi-Fiアクセスポイント識別番号と住所など、位置情報を結び付けたデータが登録されています。Wi-Fiデバイスからの要求があると、データベースからWi-Fi位置情報を検索して提供が可能です。
まわりに複数のアクセスポイントがある場合、電波の強弱からデバイスとアクセスポイントの位置関係を割り出すことで、位置情報を確定します。
測位方式 | 特徴 | 利用シーン | 導入コスト | 測位範囲 | 検知誤差 |
---|---|---|---|---|---|
ビーコン(BLE)測位 | 位置精度も高く、 導入月額コストが比較的安価 |
広いオフィス 階が複数含むオフィスのヒト管理 |
月額3万~20万 | 3m~100m | 1m~5m |
Wi-Fi測位 | 位置精度はやや低いが 設置コストが安価 |
フロアが狭いオフィスの ヒト管理 |
月額数千円~ | 50~100m | 20m以内 |
UWB測位 | 高価な分、数センチ単位の 精度まで要求することが可能 |
倉庫の在庫管理 工場の作業導線管理 |
端末費 約200万円~ |
30m~40m | 10cm~1m |
RFID測位 | タグを視認する必要なく 対象物が箱の中でも検知可能 |
入出荷管理 モノの持ち出し管理 |
1タグ100円~ | 数cm~数十m | - |
地磁気測位 | 地磁気の乱れにより 精度が影響する可能性があるが設置コストが安価 |
病院、工場などのヒトモノ管理 | - | - | 約2m~ |
GPSは建物の中に入ると位置情報の検知ができませんが、Wi-Fi方式であれば建物の中でも問題なく検知できます。周囲にWi-Fiアクセスポイントが多ければ多いほど測定の精度があがるため、Wi-Fiアクセスポイントが多い地下街やビル内などでは、さらに正確な測定が可能です。
接続するデバイスとWi-Fiアクセスさえあれば、デバイスや人の位置を簡単に測定。位置情報を利用したゲームをプレイしたり、Googleマップなどの地図アプリを使ったりもできます。
GPSなど他の位置情報検知に比べて、特別な費用は必要ありません。GPS方式では人工衛星と通信を行う装置が必要となりますが、Wi-Fi方式ではWi-Fi接続できるデバイスだけあれば利用可能です。
無料で位置情報を測定したり、位置情報サービスを利用したりできます。
Wi-Fi方式ではサーバーとの通信が必須となるため、海上や山中などアクセスポイントの無いところでは位置情報の検知ができません。人があまり住んでいない郊外や田舎など、アクセスポイントが少ないところでは、測定の精度が下がってしまいます。
位置情報を検知するサービスやアプリの中には、個人情報を抜きとることが目的とするものもあります。被害にあわないためには、セキュリテイ対策を徹底することが大切。
怪しいアプリはインストールせず、むやみに位置情報を提供しないことが重要です。
スマートフォンなどにインストールしたアプリには、最初から位置情報サービスがオンになっているものがあります。サービスをオンにしたままカメラアプリで写真を撮ると、撮影場所の位置情報が同時にセーブされてしまい、個人が特定される可能性も。
位置情報サービスは、必要な時だけオンにしておくことで安心して利用できるでしょう。
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Wi-Fi方式による位置検知方式は、建物の中でも利用できることが特徴。地図アプリを使ったり、子供や老人に持たせて位置情報を把握したりできます。
屋内位置情報サービスは、利用シーンによって、適した測位方法を選ぶことがポイントです。各測位方法による事例を紹介しているため、参考にしてみてください。
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