病院施設では、医療従事者の勤怠情報管理や、病院内を移動する患者や医療スタッフの位置情報を把握することを目的に導入されています。ここでは、病院に位置情報サービスを導入している会社の事例を一部紹介します。
応召義務があるドクターにとって、24時間診療できる体制が必要で、勤務時間はあってないようなもの。タイムカードはありますが、打刻時間が実態を反映しているとはとてもいえない状況でした。
2024年には医療従事者に対する残業時間規制も始まり、勤務時間の管理が必要に。病院の新しい外来棟が建設されることをきっかけに、これまで十分に可視化できていなかった医療従事者の勤怠情報や、医師の在院時間を把握するために導入しました。
もともと東京慈恵会医科大学病院では、業務用端末としてスマートフォンを利用し、医療現場へのIT化に貢献。積極的に情報発信を行ってきました。
そこで院内全ての出入口に100個のビーコンを設置し、在院時間の把握に必要な情報精度でソリューションを組み上げました。これまで可視化できていなかった勤怠情報が、現場にデータ収集の負担をかけずに、医療人材を過労から守る一歩となりました。
病院の課題として、ドクターが処置をするために病室を訪れても患者がいない、スタッフの人数が限られているので夜勤が不安、担当看護師にドクターからの重要な指示を直接会って伝えたいが近くにいないなどが挙げられていました。医療スタッフや患者の居場所を探すのではなく、“見える化”するために屋内位置情報サービスを導入。
また、患者の6割以上が要介護者ということもあり、認知症による徘徊などのリスクから安全性を確保するため、患者の位置把握が必要でした。
導入後、患者やスタッフや患者を探すことがなくなり、スタッフの負担が大幅に削減できました。患者の所在確認をすぐに確認できることから、安全性もアップ。病室にいる患者の在室状況が把握できるようになったため、ドクターが効率的に回診や訪問ができるようになりました。
また、担当看護師の居場所が分かるため、適切なタイミングで連絡できるように。夜勤の日も、すぐに応援を求められるようになり、安心できるようになったという効果も得られています。
医療現場で屋内位置情報サービスを導入することで、医療従事者の勤怠管理や、業務効率化を図れます。医療機器の位置をリアルタイムで把握したり、院内をナビゲーションしたりする機能なども搭載されているサービスもあるため、目的に応じて適切に選ぶとよいでしょう。
オフィスにおけるニーズ別に3つのサービスをピックアプして紹介しています。
働いている場所と座席を管理し
費用を抑えて導入したい
オフィスがどう使われているか
施設利用の分析したい
社員の生産性・集中力などの
データを管理