ここでは、今後の普及が期待されている可視光を使った屋内位置測位について、仕組みやメリット、サービスの情報を紹介します。
可視光を使った屋内位置測位とは、可視光通信技術を活用した位置情報の取得法です。市販のLED照明器具などに情報を送信する機能を追加することで、複数の照明器具から信号が送られ、3点測位によって位置情報を取得する仕組みとなっています。
新潟大学工学部情報工学科がパナソニックの協力のもとで行ったロボットの位置制御実験では、10cm以内という高精度な屋内位置測位を実現。電波に頼らない可視光通信は屋内や地下での位置取得に適しており、使う場所によっては電波通信よりも誤差が少ないとされています。
さまざまなメーカーが可視光を使った屋内位置測位サービスの提供に取り組んでいるため、今後の普及が期待されます。
可視光を使った屋内位置測位では、既存の照明器具を専用LEDに切り替えさえすれば通信インフラとして活用できるため、新たな設備を購入する費用がかかりません。また、カーテンで遮光すれば通信を遮断できるので、電波通信と比べて情報漏えいのリスクが低いというメリットもあります。
そのほかのメリットとしては、通信インフラとして活用する照明器具は屋内のあらゆる場所に設置されているので、死角ができにくく、設置スペースや電源の確保も不要。また、特別な許可を取得する必要もありません。
可視光通信を活用した屋内位置測位サービスについて、それぞれの製品の特徴や使用目的、シーンなどを紹介します。
照明機器の大手メーカーであるフィリップスでは、LED照明を使って屋内の位置情報を把握する「インドアポジショニングシステム(IPS)」を開発。実際にフランスやインドのスーパーで、インドアポジショニングシステム用照明器具が活用されています。照明器具が買い物客のスマートフォンに位置情報用信号を発信し、店内のどこにいるかを把握できる仕組みとなっています。
また、専用アプリを使えば、探している商品や食材の棚に案内してもらうことが可能。そのほかにも、野菜コーナーやスイーツコーナーなど特定の場所に移動したとアプリが認識すると、お得な情報や割引率の高い商品、おすすめの商品の提案などを受けられる機能も搭載されています。
スーパー以外の小売店での導入も見込まれており、日本では国内パートナーとの協業や実証実験によって普及させていくとのことです。
LinkRayとは、パナソニックの光ID技術を活用したソリューションで、街中で使われている明かりやLED光源をスマートフォンの専用アプリで読み取ることで、さまざまな情報を入手できる仕組みとなっています。
たとえば光ID送信機能つきの交通看板をスマートフォンにかざすと、スマートフォンの設定に応じた言語での情報提供が可能。それにより海外からの観光客のホスピタリティの向上を図れるほか、問合せ対応の負担軽減や施設のスムーズな運営を叶えられるメリットがあります。
そのほかにも商品情報の提供やお得なクーポンの発信、美術館・博物館における展示物の説明など、あらゆる業種やシーンで活用できる屋内位置測位サービスです。
※LinkRayの新規申し込みの受け付けは、2022年12月31日をもって終了しています。
オフィスにおけるニーズ別に3つのサービスをピックアプして紹介しています。
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