位置測位技術も多々登場しています。それぞれ特徴が異なるものなので、特徴を活かせる環境での利用が望ましいですが、ここではRFIDについて、特徴や仕組み、メリット・デメリットをご紹介します。
RFIDは、無線通信タグを設置します。専用のリーダーにてタグを読み込むことで、位置を特定する技術です。タグは電波を発信するタイプと電波を発するのではなく、リーダーの電波を反射するタイプが用意されています。電波を発信するタイプのタグの場合、タグ側からのアクションで位置を確認します。反射するタイプの場合、リーダーから電波を発し、反射してきた場所を測定する仕組みとなっています。
通信可能範囲は数cmから数十メートルまで対応しています。
測位方式 | 特徴 | 利用シーン | 導入コスト | 測位範囲 | 検知誤差 |
---|---|---|---|---|---|
ビーコン(BLE)測位 | 位置精度も高く、 導入月額コストが比較的安価 |
広いオフィス 階が複数含むオフィスのヒト管理 |
月額3万~20万 | 3m~100m | 1m~5m |
Wi-Fi測位 | 位置精度はやや低いが 設置コストが安価 |
フロアが狭いオフィスの ヒト管理 |
月額数千円~ | 50~100m | 20m以内 |
UWB測位 | 高価な分、数センチ単位の 精度まで要求することが可能 |
倉庫の在庫管理 工場の作業導線管理 |
端末費 約200万円~ |
30m~40m | 10cm~1m |
RFID測位 | タグを視認する必要なく 対象物が箱の中でも検知可能 |
入出荷管理 モノの持ち出し管理 |
1タグ100円~ | 数cm~数十m | - |
地磁気測位 | 地磁気の乱れにより 精度が影響する可能性があるが設置コストが安価 |
病院、工場などのヒトモノ管理 | - | - | 約2m~ |
RFIDのメリットとして非接触で読み取ることが可能な点が挙げられます。バーコードのようにスキャンする必要はなく、離れた場所でも検知可能です。検品やピッキング作業においては、作業効率の向上や危険を伴う高所製品の読み取り簡略化などがメリットとなるでしょう。
また、隠れている場所にも対応。例えば箱に梱包されているとしても、RFIDであれば認識加納です。一括読み取りが可能なので複数のタグを認識できる点や、データの書き換えが行えるので情報を追加できる点、さらにはチップの複製が難しいことからセキュリティ面についてもメリットに挙げられます。
デメリットとして、まずはコストです。研究の進化と共にコストは低下傾向にあるものの、1枚約10円のコストは少々高額です。商品単価の安い物を管理する場合、利益よりも管理費が高くなってしまう可能性があります。その仕組みから、金属商品では電波が反射されてしまうリスクもあります。この点は金属商品対応のRFIDも登場していますが、やはり先述したようにコストの問題があります。また、RFIDタグが偶然重なってしまうと情報の読み込みに時間がかかる可能性がある点もデメリットです。
RFIDにはこれまでにないメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。メリットだけではなく、デメリットも踏まえて自社にマッチしているものなのかを検討する必要があります。
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