JAXAが民間企業と共同考案した屋内測位技術であるIMES(屋内GPS)は、電波の届きにくい地下街や屋内などでも計測ができる測位方法です。ここでは、IMESの位置検知の仕組みや、メリットデメリットについて解説します。
IMES(屋内GPS)は、JAXAが民間企業と共同考案した屋内測位技術。GPSと同じように、送信機から情報を信号で送る仕組みです。
一般に普及しているGPS受信機が利用できるため、専用受信機は必要ありません。通常の衛星測位では受信機と送信機間の測距を行いますが、IMESは受信機が送信機からの直メッセージとして位置情報を受信できるため、正確な位置を求められます。
GPSと互換性のある信号を発信する屋内GPS送信機を設置し、位置情報を送信。GPSでは送信機から送信された信号を複数の衛星で測距し、その結果をもとに測位演算を行います。
屋内GPS送信機から送信された絶対位置情報(高さ、階数、緯度、経度など)を受信して、位置決めをします。
IMESは、電波の強弱で距離測定を行うわけではないため、正確な位置情報を取得できます。
屋内測位では、高さなどの3次元情報が重要なポイント。IMESでは単なる位置情報だけでなく、その場所のフロア階数や高さといったオリジナル情報も取得できます。
受信するハードウエアとして既存GPS受信機をそのまま使えるため、コストを抑えることができます。スマートフォンなどの携帯端末に搭載されているチップを使うことができれば、さらにコスト削減が可能です。
まっすぐに届く電波だけでなく、ビルなどに反射して複数経路で電波が届いてしまい、正しい経路がわからなくなってしまうフェージング現象をマルチパスといいます。IMESでは測距を行わないため、マルチパスの影響を受けることがありません。
ビル内にIMES発信装置を設置することで、装置設置場所が現在位置になるため、発信装置台数が多くなるほど測定誤差が小さくなります。
衛星を利用したGPSやGNSSの発信する信号は、屋内に届かないため屋内の位置計測ができません。一方、IMESは測位衛星信号と類似した信号を送信するため、屋外はGPS、屋内はIMESと使い分けられます。
ユーザーが屋内外を移動する時にアプリケーションを変える必要がなく、1つの端末で測位できるため、シームレスな測位が可能です。
測位精度が数十cmのUWBや、1m前後のPDRと比べると、IMESの測位精度は5m~10m程度なので精度的に劣ります。
スマートフォンを利用する場合、情報を受信する端末側であるスマートフォンがIMESに対応している必要があります。
必要な機能はこれ!利用シーン別の
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IMESは、倉庫や工場の部品や製品管理や、オフィスや作業現場での位置や動線把握による作業効率アップなどに利用。既存のGPSと親和性があり、屋内外でシームレスな測位ができます。
屋内位置情報サービスは、利用シーンによって、適した測位方法を選ぶことがポイントです。各測位方法による事例を紹介しているため、参考にしてみてください。
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