フリーアドレスとは、社員一人ひとり専用の座席を固定せず、業務内容や気分に合わせて自由に席を選べる勤務スタイル。ICT技術の進歩やABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の推進で働き方が変化していることもあり、注目されているワーキングスタイルです。
ここでは、フリーアドレスを実践するために、位置情報サービスを導入している一部の企業の事例を、サービスの測位方法ごとに紹介します。
位置把握 方法 |
リアルタイム 位置情報 |
導入 コスト※ |
こんな企業におすすめ | |
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ビーコン | 〇 3m~100m 1m~5m |
月額3万円~ | 複数階があり、広いエリアで フリーアドレス運用しているオフィス |
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Wi-Fi | △ 50m~100m 20m以内 |
月額数千円~ | フロアが狭いオフィスや、 グループアドレスを導入しているオフィス |
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座席管理システム | ✕ | 月額3万円~ | 座席数が少なく、出社する際は 座席の予約が必要なオフィス |
※料金は利用人数によって変動する場合が多いです。
オフィス家具・文具業界の大手であるコクヨは、ICTの進化と働き方の変化に合わせて自社でもデジタルツールを導入し、顧客にもICT化を積極的に提案してきました。以前にWi-Fiを使った位置情報取得を試みたものの、アクセスポイント単位でしか把握できず導入コストも高額でした。テレワークとフリーアドレスが推進される中で、出社しているのは誰か、そしてオフィスのどこにいるかを見える化する必要性が高まり、社員が持つiPhoneにアプリを入れるだけで利用可能なBeacapp Hereの導入を決定しました。
実際に使い始めると、アプリが直感的で見やすいUIであることが社員から好評を博し、どこに誰がいるかがすぐに分かることでフリーアドレス特有の不便さが解消されました。
テレワークや出社率の管理ツールとしても、簡単に出社状況をチェックできるため、便利になったと評価する声が多く上がっています。社員が日常的にアプリを起動する習慣が根付いており、導入後も高い利用率を維持しているそうです。
引用元:株式会社ジークス公式HP(https://www.zyyx.jp/works/interview-cbre-inc.html)
法人向け不動産サービスをグローバルに提供するCBRE株式会社では、ABWのワークスタイルへ移行。フリーアドレス化により部署間コラボレーションは活性化したものの、部下の居場所を把握しづらくなるなどマネジメント上の課題が発生していました。そこで、大阪拠点の移転を機に、ABFinder(旧称:AB Stamper)をテスト導入。社員の位置情報を取得・分析することで、社内コミュニケーションのさらなる促進とワークスペースの最適化を図ることを目指しました。
仕切りなどによって目が届かないところに誰がいるかもすぐ分かるようになりました。
クラウド上に蓄積されたエリア利用データを分析し、想定通りにスペースが使われているか、どのエリアが人気かなどを把握して、オフィス環境の改善につなげられる点は大きなメリットとされています。
引用元:株式会社Phone Appli公式HP(https://phoneappli.net/casestudy/casestudy-55/)
高千穂交易株式会社では、オフィス移転を機にフリーアドレスを導入し、さらにテレワークも進んだことで「誰がどこにいるか分からない」「出社している社員を探し回らなければいけない」という課題が深刻化。社内を歩き回った末に「実はテレワーク中で不在だった」といった手戻りの発生を減らしたいため、PHONE APPLI PLACEを導入しました。
自社既存のCisco MerakiのWi-Fi環境を使えるため追加のハードウェアが不要で、初期投資や運用負荷を抑えつつ在席情報を可視化できる点が導入の決め手になりました。
PHONE APPLI PLACE導入後は、オフィスのフロアマップ上で社内にいる社員の位置がリアルタイムで分かるように。誰が出社しており、どこにいるかをすぐ確認できるため、用件を頼みたい相手を探し回る手間が激減しました。
フリーアドレスで席が変わっていても、「相手がどこに座っているか一目瞭然」「会議室にいるから今は声をかけるのを避けよう」といった判断ができるようになり、業務効率がアップしました。
引用元:株式会社内田洋行公式HP(https://www.uchida.co.jp/it/case/snv_olympus.html)
本社移転を機に、部門間連携の強化や社員が自律的に働ける環境を作ろうとしていたオリンパス。もともと研究開発部門や本社機能などが別拠点で「サイロ化」しやすい構造だったため、新オフィスでは誰でも自由に往来できるオープンなレイアウトを目指しました。自由度を高めながら、誰がどこにいるのかも分かるように、SmartOfficeNavigatorを導入しました。
他社も部分的には類似機能を提供していますが、1つのプラットフォームで会議室予約管理や、社員の位置情報などを統合管理できる製品は珍しく、Microsoft 365との親和性も高いことから導入を決定。データを一元的に集約することで、実際の出社状況やオフィスの稼働率などを定量的に把握でき、脱サイロ化に向けた施策の効果検証がスムーズになると期待されています。
スマートフォンやPCから混雑状況を確認したうえで移動すれば「どこに座ればいいか」「混み合いを避けるにはどのフロアがいいか」といった判断がすぐにできるようになりました。
会議室の利用においても、予約時間内に入室しなければ自動でキャンセルされる機能によって、無駄な会議室占有が減少。今後は、得られたデータをもとにオフィス環境のレイアウトや規模を迅速かつ柔軟に改善し、より一層の脱サイロ化と社員の生産性向上を目指しています。
引用元:EXOffice公式HP(https://exoffice.where123.jp/case/452)
TOPPAN株式会社は、次世代オフィス「expace」を通じて部門横断のコミュニケーションを活性化し、社員のワークパフォーマンスを向上させる狙いがありました。従来の管理方法では誰がどこで働いているかを定量的に把握することが難しく、十分な効果検証や改善が進めにくい状況でした。EXOfficeを活用しオフィスの利用状況やコミュニケーション量を可視化し、常にデータに基づいたアップデートを行えるような仕組みを整備しました。
座席や会議室の予約、リアルタイム位置情報の表示に加え、ワークパフォーマンス指数の測定も一括管理できるため、誰がどこでどのように働いているかが一目で分かるようになりました。これにより、「今どこに座るべきか」「どこなら集中しやすいか」などの判断がしやすくなり、コミュニケーションがスムーズに。さらに、蓄積したデータを基にレイアウトや利用ルールを柔軟に見直すことで、常に進化し続けるオフィス運用を実現しています。
引用元:株式会社Colorkrew(https://colorkrewbiz.com/case_study12.php?source=portal_top)
丸紅株式会社の化学品本部ではフリーアドレスとリモートワークを導入していますが、新型コロナの影響で誰が出社して、どこに座っているのかが一目で分からず、コミュニケーションに支障をきたす懸念が高まっていました。新社屋移転の直前に、急いでColorkrew Bizへ問い合わせ、2日後にすぐサービスを導入しました。
多くのシステムが追加ハードウェアや高額な導入コストを必要とするなか、Colorkrew Bizならフロアごとの座席をリアルタイムに可視化する仕組みを、わずか数日で整備できました。
新オフィスでは、座席ごとに貼られたQRコードを社員が読み取るだけで、どこに誰がいるかをColorkrew Biz上で即座に把握できるようになりました。郵便や貿易関連の重要書類を手渡しするケースが多い丸紅株式会社の化学品本部では、必要な社員を探し回る手間が格段に減り、配達担当者の負担が大幅に軽減されました。フロア入口に設置した座席表モニターを見るだけで、スムーズに目的の相手へ書類を届けられるようになりました。
引用元:NTTデータルウィーブ株式会社公式HP(https://imeeting-rs.nttdata-luweave.com/)
NTTデータルウィーブ株式会社では、フリーアドレスを導入するなかで社内のどこに誰が座っているか分からず、コミュニケーションしづらいという課題が顕在化していました。さらに、席が本当に足りているのか、あるいは過剰なのかを判断する客観的なデータがなく、ファシリティの最適配置が難しい状況に。そこで、座席使用状況をリアルタイムで可視化しつつ、利用実績データを集計・分析できるDesk Mosaicを導入しました。
導入後は、Desk Mosaicの画面上で、誰がどの席に座っているかをひと目で把握できるようになり、同僚に声をかけやすくなるなど社内コミュニケーションがスムーズに。操作画面も分かりやすいため、導入直後から社員への研修がほぼ不要で、スピーディーに運用が始まりました。
また、管理者機能で席利用の実績値をレポート化し、フロアごとの席数が適正かどうかを判断できるようになったため、ファシリティの有効活用と将来的なレイアウト調整に役立っていると高く評価されています。
引用元:Acall株式会社公式HP(https://www.workstyleos.com/cases/o3kv70--d7/)
新社屋が完成した際、株式会社橋本組ではフリーアドレス制を導入しました。従来の座席管理システムはハードウェアの初期コストや複雑な導入要件が多く、社員にとって大きな負担になる恐れがありました。誰がどこにいるか分からないと困るため、株式会社橋本組は新たにAcallを導入。その決め手となったのは、QRコードを使うだけで簡単に座席予約と会議室予約を行えること、初期投資も抑えられることです。
QRコードを読み取るだけでチェックインができるため、フリーアドレスでも「誰がどの席にいるか」がすぐ分かり、隣の席になった社員同士のコミュニケーションも自然と活性化。さらに、顔写真が表示される機能によって名前と顔を覚えやすく、新入社員や異なる部署のメンバーとも気軽に打ち合わせがしやすくなりました。簡単な操作で利用定着が早まり、自由度の高い新社屋でもストレスなく席を管理できています。
引用元:WORK AGILE公式HP(https://workagile.jp/index.php/2023/08/15/case_divx/)
株式会社divxでは、社員増加で座席不足や出社順に良席が埋まる不公平感が深刻化していました。オフィス移転を機に、単に席数を増やすだけでなく、座席利用状況を可視化して最適配置を図りたいとの思いから、WORK AGILEの導入を決定しました。専用の図面を作成する工数もかからず、既存の座席表をそのままアップロードして活用できました。
事前予約で希望する席を確保できるようになり、遅めに出社する社員も安心して働ける環境を築けました。フロアマップ上で誰がどこにいるか一目で分かるため、相談や雑談など直接のコミュニケーションもより活発に。さらに、座席利用率のデータを活用することで、レイアウトの見直しや将来の増席判断もスムーズになり、社員の出社意欲が高まっています。
フリーアドレスオフィスに導入することで、社員同士の位置が分からずに業務効率が落ちたり、社内の出社状況が分からないといった課題を解決できます。
屋内位置情報サービスは、オフィスや工場、防災対策、商業施設、病院など利用シーンが様々。利用シーンに応じて必要な機能が異なるため、利用目的に合致する機能があるサービスを選ぶことがポイントです。
当サイトでは、利用シーン別のおすすめ屋内位置情報サービスを紹介しているため、導入を検討している企業は参考にしてみてください。
屋内で人や物の位置を計測できる屋内位置情報サービスは、オフィスや工場、倉庫、施設、病院、地下街、商業施設など利用シーンは様々。ここでは代表的なシーンとして、オフィス、工場、公共機関や大型商業施設での必要な機能を紹介します。
画像引用元:株式会社ビーキャップ公式HP(https://jp.beacapp-here.com/)
画像引用元:Ubisense Limited公式HP(https://ubisense.jp/)
公式HPに記載がありませんでした。
画像引用元:ニッタン株式会社公式HP公式HP(https://www.nittan.com/index.html)
※2025年最新情報要確認。
トライアルパッケージ
利用者数 | 150名まで |
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レンタル端末数 | 30個 |
トライアル期間 | 3ヶ月 |
月額 | 200,000円 |
※正規利用費用について公式HPに記載がありませんでした。