自律航法(PDR)による屋内位置測位の仕組み

屋内問わずに測位ができる自律航法(PDR)は、GPSやビーコンのように外部からの信号に依存せず、複数の自律センサーからのデータのみで利用できます。ここでは、自律航法(PDR)の位置検知の仕組みや、メリットデメリットなどについて解説します。

自律航法(PDR)の位置検知の仕組み

自律航法(PDR)とは?

自律航法(PDR)とは、角度がどれくらい変化したかを測定するセンサーなどの自律動作によって得られたデータに基づいて計測。基準点からの相対的な位置を推定する測位方法です。

自律航法(PDR)は大きく分けると「歩行者自律航法」と、車や船などの「物の自律航法」があります。自律航法は、船舶やロケットなどの位置を測定する方法として利用されてきましたが、その技術が人の動きにも応用されるようになりました。

自律航法(PDR)の位置検知方法

回転角の速度を測定するジャイロセンサーや、磁場の方向や大きさを測定する磁気センサー、速度変化を測定する加速度センサーなど、複数の自律センサーからのセンシングデータを継続的に測定。基準点となる初期位置に加算していくことで、移動体の位置を計測します。

歩行者自律航法では、歩行者が複数の自律センサーで構成されたデバイスを身につけ、移動する際の体の動きを計測。計測結果から移動速度や歩幅、進行方向を推測して測位を行います。

GPSやWi-Fiなどのように音波や電波、光といった外部信号に依存せずに、人の移動距離や滞在分布などの自律的な測位が可能です。

自律航法(PDR)のメリット

自律センサーからのデータだけで測位できる

GPSなど衛星から電波を受信して自分の位置を推定するよる方法とは異なり、複数の自律センサーから得たデータのみで自律測位ができます。そのため、専用機器は不要です。

最近急速に普及が進んでいるスマートフォンなど、携帯端末上で動作するアプリケーションで実現できます。

送信機器の設置コストが不要

スマートフォンなど身近な機器を利用するため、UWBやビーコンなどの送信機器を設置する必要がなく、コスト削減ができます。

屋内外を問わず測位できる

複数の自律センサーからの情報によって基準点からの相対位置を推定するので、屋外や屋内を問わずシームレスな計測が可能です。

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自律航法(PDR)のデメリット

誤差が蓄積されると位置がわからなくなる

相対的な測位方法なので、時間が経つにつれて徐々に自分の位置の推定誤差が蓄積されていき、結果自分の位置が分からなくなってしまいます。そのため、適切な絶対位置の補正技術が必要です。

高頻度のデータセンシングが必要

基準となる位置からのデータを積み重ねることで現在位置を推定するため、高い頻度でデータセンシングを行う必要があります。

初期位置を正確に指定する必要がある

絶対位置ではなく、初期位置からの相対位置で測位するため、基準点となる初期位置の指定を正確に行わなくてはなりません。

まとめ

GPSやビーコンなど外部電波を受信することなく、複数の自律センサーからのデータだけで測位ができる自律航法。新たな工事等が不要でスマートフォンを利用できるため、手間なく利用可能です。

屋内位置情報サービスは、利用シーンによって、適した測位方法を選ぶことがポイントです。各測位方法による事例を紹介しているため、参考にしてみてください。

屋内位置情報サービスを活用する
主なシーン必要な機能

屋内で人や物の位置を計測できる屋内位置情報サービスは、オフィスや工場、倉庫、施設、病院、地下街、商業施設など利用シーンは様々。ここでは代表的なシーンとして、オフィス、工場、公共機関や大型商業施設での必要な機能を紹介します。

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