気圧を使った屋内位置測位とは(垂直測位)

気圧を使った屋内位置測位(垂直測位)について、特徴やメリット、サービスの情報などを詳しくまとめています。

気圧を使った屋内位置測位について

気圧を使った屋内位置測位(垂直測位)は、GPSで取得した位置情報や気圧データをもとに、現在地の高さを算出できるものです。高さを算出できるため、建物内の何階にいるかを特定できます。屋内位置測位の精度は高まっており、リアルタイムな測定によって、2~3mの精度での特定も可能です。

測位対象の端末には気圧センサーが内蔵されており、近隣の気圧情報と比較・分析によって測位を行います。GPSでわかる位置情報は、平面の世界です。位置は把握できますが、建物の何階にいるのかまでは分かりません。これに気圧を使った情報を加えることで、立体的な位置情報を把握できるようになりました。

垂直測位のメリットは?

垂直測位のメリットは、3次元の世界で位置情報を把握できる点です。位置情報に加えて、高さも把握できます。

GPSは、屋内や地下街には電波が届きにくいのが弱点で、位置は把握できても高度まではわかりません。気圧センサーを使えば、GPSの弱点をクリアできます。

垂直測位を使えば、位置情報は平面から3次元の世界に変身します。これまで真上から見ていた平面の情報は立体的になり、建物に高さや階数までを把握できるようになるのです。高さが分かれば、ビルで買い物をしていても、自分が何階のどの高さにいるのかを瞬時に把握でき、移動を楽にしてくれるでしょう。

垂直測位サービスの活用が期待される業界

垂直測位サービスは、セキュリティの分野でも活躍が期待できます。火災などの災害時にも、垂直測位サービスが役に立つと考えられています。ビルで火災が発生した際に、垂直測位サービスを活用すれば火災が発生した階が瞬時にわかり、火災発生現場の上の階に知らせることが可能です。現場の把握が容易になることで、消火活動も素早く行えます。人の位置を確認できれば、逃げ遅れた人がいないか、どこにいるのかも把握できます。

大規模の会社であれば、社員同士でお互いがどこにいるのかも容易に把握できます。社員の居場所をリアルタイムで把握できれば、探す必要がなく作業効率が上がるでしょう。工場のような作業範囲が広大な場所では、作業工程の見える化や、工具や機器の使用状況の把握に活用できます。

垂直測位による屋内位置測位サービス

垂直測位による屋内位置測位サービスを紹介します。製品の特徴や使用目的などをまとめています。

Pinnacle(MetCom)

MetComのPinnacleは、手持ちのスマートフォンやIoTデバイスの高度を測位するサービスです。屋内外で利用でき、デバイスがある位置の階数特定もできます。デバイスには気圧センサー情報が内蔵されており、高度をリアルタイムに測定。近隣の基準点気圧情報と比較して、高い精度で特定が可能です。これまで平面で見えていた世界が、Pinnacleによって3次元の世界に変化します。立体的な情報を獲得でき、フロアレベルで高さを特定できるサービスです。

※参照元:MetCom公式HP(https://metcom.jp/service/pinnacle/)

ビーコン方式による
屋内位置測位の仕組みを見る

屋内位置情報サービスを活用する
主なシーン必要な機能

屋内で人や物の位置を計測できる屋内位置情報サービスは、オフィスや工場、倉庫、施設、病院、地下街、商業施設など利用シーンは様々。ここでは代表的なシーンとして、オフィス、工場、公共機関や大型商業施設での必要な機能を紹介します。

オフィスでの
フリーアドレスなら
【Beacapp Here】

引用元:公式HP
https://jp.beacapp-here.com/

特徴

①導入No.1かつユーザー数No.1
②オフィスにビーコンを設置するだけで、スマホで簡単に利用

工場での
生産性向上なら
【Ubisense】

引用元:公式HP
https://ubisense.jp/

特徴

①3D位置の追跡
②センチメートルレベルの精度の高さ

公共機関や大型商業施設での
防災対策なら
【B Catch Now】

引用元:公式HP
https://www.nittan.com/houjin/bcatchnow/index.html

特徴

①火災状況の把握
②SOSボタンにより緊急連絡先の表示

※選定条件:
2022年4月1日時点のGoogleで「屋内位置情報サービス」および「位置情報サービス」で検索して表示された屋内の位置情報を提供するサービスを調査。

  • Beacapp Here…空きスペース検索、ホテリング機能(ともにオプション)があり、オフィス屋内位置情報サービスでのユーザー数No.1(※)の会社。
    ※参照元:Beacapp Here公式HP(https://jp.beacapp-here.com/)2018年12月~2021年11月時点での累積数
  • Ubisense…さらに自社開発または海外製ツールの専属販売代理店契約を結んでいる26の屋内位置情報サービスの中から、15cmまでの精密な位置測位が可能であり、1秒あたり数千回の位置更新を行う高リアルタイム計測が可能な会社。
  • B Catch Now…さらに自社開発または海外製ツールの専属販売代理店契約を結んでいる26の屋内位置情報サービスの中から、火災の発生源を特定でき、逃げ遅れた人の所在を表示することができる会社。