UWB(Ultra-Wideband)による屋内位置測位の仕組み

2000年代に次世代通信技術として話題となったUWBは、スマートフォンに搭載されたことから再び注目されています。ここでは、UWBの位置検知の仕組みや、メリットデメリットについて解説します。

UWB(Ultra-Wideband)の位置検知の仕組み

UWB(Ultra-Wideband)とは?

UWBは超広帯域無線通信のことで、日本国内では8.5GHz~9.5GHz程度の周波数帯域を利用。Wi-Fiの20MHzと比較すると、かなり広い帯域となっています。

2000年代にアメリカの軍事レーダーに使われ次世代無線通信技術として話題になっていましたが、一部の製品に採用されただけでした。しかし、2019年にアップルがスマートフォンに搭載したことから、再び注目を集めています。

UWB(Ultra-Wideband)の位置検知方法

UWB方式では、人や部品、設備など測定する対象物にタグをとりつけ、屋内に30m~40m間隔でセンサーを設置。タグが発信する電波を2個以上のセンサーが受信することで、タグの位置を特定します。

電波到達時間から距離を算出する信号到着時間や信号到来角度で位置を推定しますが、複数センサーによる正確な時刻同期と高速処理によって、高精度な測定が可能。スマートフォンなどUWBに対応した機器間では、通信したい機器の方向に向けることで位置情報を把握し、相手を認識します。

UWB(Ultra-Wideband)のメリット

高精度な計測が可能

電波の強弱から位置を測定するBLEは、複数の発信機を設置する必要があります。一方UWBは、電波の届く時間を計測するため、設置台数が少なくても高精度な計測ができます

マルチパスに強い

マルチパスとはまっすぐに電波が届くだけでなく、ビルや山などに反射して複数のルートを通って複数の経路で電波が届くこと。ビルの間などで、電波が強いにも関わらず携帯電話が圏外になってしまうのは、マルチパスが原因です。

電波がマルチパスで届いてしまうため、正しい解釈ができなくなってしまうことから圏外になってしまいます。UWBの場合は、短いパルス波なのでマルチパスに強いです。

低コストが期待できる

短いパルス信号を利用するため、信号を出すために必要な消費電力が少ないです。他の無線機器に比べて低電力で長時間仕様できる機器を作りやすく、コスト削減が期待できます。

瞬時に位置情報が得られる

短いパルス信号で正確に測定でき、遅延を生じることなく瞬時に位置情報が得られます。動いている対象を、リアルタイムで追跡することも可能です。

高速、大容量通信ができる

超広帯域によって伝送速度が高速化でき、複数の周波数を使用してデータの送信が可能です。通信容量も増大することから、測定時間も速くなります。

他の無線との干渉が少ない

広い帯域を使うため、他の無線通信との干渉が少なく、システムに影響を与えることも少なくなります

UWB(Ultra-Wideband)のデメリット

専用タグが必要

UWB受信専用のタグが必要となるため、工場などで利用する場合にはタグ分のコストがかかります

複数のアンテナが必要

信号到来角度で位置を推定するには、複数のアンテナ使用し、受信時間差から角度を求める必要があります。結果複数アンテナが必要となり、導入コストが高くなります

まとめ

UWBは、電波の届かない屋内でも高精度な測位ができ、広い帯域を使うため同時に複数送信が可能です。短時間で測定できるため、工場や倉庫などの生産管理や安全管理、物流管理などに利用されています。

屋内位置情報サービスは、利用シーンによって、適した測位方法を選ぶことがポイントです。UWB方式の事例を紹介しているので、参考にしてみてください。

屋内位置情報サービスを活用する
主なシーン必要な機能

屋内で人や物の位置を計測できる屋内位置情報サービスは、オフィスや工場、倉庫、施設、病院、地下街、商業施設など利用シーンは様々。ここでは代表的なシーンとして、オフィス、工場、公共機関や大型商業施設での必要な機能を紹介します。

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